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共栄タンカーは大型タンカーを中心に船舶を保有し、船員とともに運航会社へ提供することで、船舶の運航・管理を担う船主専業の海運会社です。
エネルギー輸送の一翼を担う船主企業として本邦エネルギー安定供給と海運業の発展に貢献しています。
海運業は、船舶の保有・維持管理を担う船主と運航・集荷等を担うオペレーターとの分業で営まれています。
大手海運会社は、船主オペレーターを併営していますが、当社は1937年の設立以来、90年近くにわたり、船主専業で事業を展開してまいりました。
一方、自らは船舶を保有せず、船員手配や修繕・管理等、船主機能の一部(船舶管理業務)を請け負う船舶管理会社も数多く存在します。
| 船主 | 船舶の保有、船員手配、修繕・管理 【輸送手段の提供・維持管理】 |
|---|---|
| オペレーター | 荷主からの貨物輸送受託、航路計画作成、集荷 【荷主に対する輸送サービス提供】 |
船主である当社にとって、関連業界とのつながりも事業上の重要なポイントです。
造船会社との間では日頃からの緊密な情報交換を通じ、船舶に係わる技術・性能向上に向けての協力関係を築いています。船舶建造の際は、設計・建造段階から緊密に連携し、長期にわたり保有する船舶の良好な状態の維持や、当該船舶による安全かつ質の高い輸送手段提供をめざしています。
【定期傭船契約】
一定の期間を定めて、船主が船長・船員を配乗させ輸送能力を備えた船舶による運送サービスを傭船者に対して提供し、傭船者は期間を基準とした傭船料を対価として支払う契約
[= 運送(サービス)契約]
当社は、顧客との間で定期傭船契約を結び、保有船舶を運送サービスとして提供しています。
(この契約関係に基づく顧客のことを「傭船者」と言います)
当社(船主)は、契約期間中運航可能な状態で船舶を提供し(運送サービス)、対価として顧客(傭船者)から契約で定められた傭船料を受け取ります。
定期傭船契約における、船舶運航に係わる役割分担・費用負担は下表の通りです。
| 項目 | 船主 | 傭船者 |
|---|---|---|
| 船長・船員手配 | 〇 | |
| 船舶維持管理 | 〇 | |
| 船舶の利用に関する指示 | 〇 | |
| 費用負担 | 維持管理費用、船員費等 | 運航費(燃料費、港湾費等) |
当社は1937年の設立以来、船主業として90年近くエネルギー輸送に従事、”エネルギー海上輸送のエキスパート“として、その卓越した船舶管理技術を強みに、わが国のエネルギー輸送の一翼を担うインフラとしての機能を果たしてまいりました。
当社の年間原油輸送量は本邦原油消費量の約1カ月分にあたり、国内で消費する原油のほぼ100%を輸入に頼るわが国のエネルギー安全保障に貢献しています。
現在は、大型原油タンカー(VLCC*)事業を通じた原油輸送のみならず、LPGや石油製品等のエネルギー輸送を得意分野とし、こうした領域に積極的に展開しています。
* VLCC : Very Large Crude Carrier
本事業運営の様子は当HP「オイルロード~1万キロの旅に密着~」もご覧ください。
※グラフ出典:「日本の海運 SHIPPING NOW 2025-2026」
こうしたエネルギー海上輸送には高度な船舶管理技術が求められます。
エネルギー輸送のプロフェッショナル集団として高いスキルを有する船員の専門性に裏打ちされた船舶管理技術は、当社の強みであり、事業の高付加価値化、他社との差別化をもたらす重要な事業基盤です。
先述の通り、大手海運企業の多くが船主とオペレーターを併営しています。
一方、当社は、エネルギー輸送分野に注力するとともに、集荷等の業務は追わず船主専業に絞り込む戦略で、限られた経営資源を有効活用し、事業強化を進めてまいりました。この戦略の下、エネルギー輸送に係わる知見と船舶管理・運航技術を集中的に磨き上げ、大型原油タンカーを所有・管理する本邦唯一の専業船主とも言うべき独特の事業モデルと確たるプレゼンスを海運業界に示しています。
当社は現在14隻の船舶を保有し、顧客との定期傭船契約を通じ、各貨物の輸送ニーズに応えています。(26/3末現在)
原油タンカー事業は、当社売上の過半を占める主力事業であり、長期契約による安定収益源かつ技術基盤として当社経営における最重要領域です(詳細後述)。
当社は原油タンカー以外の船種にも積極的に取組んでいます。
中でもLPG船は、現在売上の約3割を占めていますが、船舶管理能力を活かしながらの高付加価値展開が可能な分野と考えており、今後一段と注力していく方針です。
こうした事業戦略の下、現状VLCC1隻、LPG船2隻を新造発注済で、船隊ポートフォリオの最適化を通じた収益基盤の拡充を進めて参ります。
| 隻数 上段:稼働中船舶 下段:発注済船舶 |
載貨重量トン数 上段:稼働中船舶 下段:発注済船舶 |
|
|---|---|---|
| 原油タンカー | 6隻 | 1,875,948MT |
| 1隻 | 310,000MT | |
| LPG船 | 5隻 | 146,798MT |
| 2隻 | 12,350MT | |
| バルカー・製品船 | 3隻 | 215,333MT |
※載貨重量トン数:船舶の貨物最大積載量を表す数値
MT(メトリックトン):1,000キログラムに相当する質量の単位
次に主力の原油タンカー事業についてご説明します。
当社主力の原油タンカー事業では、顧客石油会社の戦略事業パートナーとして原油の長期安定供給という共通の目的に従事しています。
この責務を着実に果たすためにも、顧客との間では長期の契約を結んでいます。これによりお互い市況や環境変化に左右されにくく見通しの立てやすい収支構造の下で、輸送計画を着実に遂行しています。
また、大型原油タンカーの建造には巨額の資金を必要とすることから、需要の先行き等についても顧客との間で綿密なすり合わせを行い、長期的視野に立った計画的な事業投資を行っています。
万一の事故による環境汚染や経済的損失の大きさに鑑み、原油タンカーの船舶管理は他の船種以上に高度な安全基準と専門的な保守整備が求められます。
高いスキルを有する船員の専門性に裏打ちされた技術力は、世界レベルの安全基準確保と傭船者ニーズに沿った効率的な運航を実現し、船舶資産価値の維持に貢献しています。
このように当社の船舶管理技術は、船舶というハードの付加価値を高めるソフトパワーとして貴重な経営資源となっています。
当社の船舶管理技術は、高い管理能力が求められる原油タンカー事業への取組を通じ、蓄積され、磨かれてきました。
先述の通り安全で質の高い運送サービスは顧客との信頼基盤となっていますが、この技術力の発揮は船舶の運航中にとどまりません。船舶運航を通じ蓄積された管理技術・ノウハウは、造船所との技術連携を通じてフィードバックされ、建造の段階から活かされています。こうした取組が、高品質の船舶供給の形で保有資産の高付加価値化につながっています。
これらを支える高スキル人財については、計画的・継続的に採用・育成を進めており、高いレベルの技能承継に長期的視野から取り組んでいます。
こうした優位性を有する経営資源をより幅広く活用できる体制作りを一段と進め、LPG船等をはじめ他事業における高付加価値化の取組、高付加価値領域の拡大に積極的に取り組んでまいります。
事業別の売上割合は、原油タンカーが過半を占めており、次いでLPG船事業が約3割、バルカー・製品船等で2割程度を構成しています。
当社の事業収益は、契約に基づき安定的に得られる傭船事業収益と契約終了後の船舶売却益とから成ります。
当社は主力の原油タンカー事業を中心に、中長期の傭船契約が多くの割合を占めています。
このため当社船舶の多くは、市況等に左右されにくい安定的な傭船料収入を得ております。
また、船主企業である当社にとって船舶売却も大きな事業収益機会となります。保有期間中の適切なメンテナンスにより船舶の資産価値を維持しながら、タイミングのよい売却を通じ、最終的な投資回収の極大化を図っています。
傭船事業収益は概ね営業利益に、船舶売却収益は特別利益に計上され、以下のとおり推移しています。
注)船舶資産関連損益:売船損益、減損、傭船解約違約金等のネット後損益
原油タンカー事業は今後も安定収益源かつ技術基盤として当社主力事業であり、長期的視点に立った需要見通しの下、計画的に投資等を進めてまいります。
原油タンカー以外の事業にも積極的に取り組んでまいります。
なかでもLPG船は当社の船舶管理能力を活かした高付加価値化展開をはかりやすい分野と認識しており、更に注力していく方針です。
当事業では、今後、短い契約期間の船舶にも取組み、市況享受型の傭船収入部分を取り込んでいく考えです。中小型LPG船等を中心に、当社財務体力に見合ったリスクリターンを見極めつつ進めてまいります。