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船の旅は独自の魅力に満ちている。
陸から隔絶され、何かと不自由で窮屈な生活を強いられているのではないかと思われがちだが、実際は、船上の生活は陸の上では味わうことのできないたくさんのメリットがある。
ここからは船内の暮らしぶりを詳しく見ていこう。
航海の間、乗組員の働く時間は原則1日8時間。それ以外の時間は自由で基本的に日曜日が休みである。当直などがあり、勤務時間は不規則になるが、時間をうまく使えば1日の3分の2は自由時間となる。
下船すれば埋め合わせするように長い休暇があり、それこそ船員の醍醐味だと主張する人もいる。
船は、24時間海を走り続けている。1日を4時間毎に分け、航海士が交代で勤務に当たっている。勤務時以外は、食事や睡眠、自由時間にあてられる。
機関士は、当直制ではないため、夜間は機関室は無人となっている。夜間、トラブルが発生した場合にはアラームが発報し、当番員がすぐに対応できる体制になっている。
次にタンカーの住環境を見てみよう。
ホテルとまではいかないものの、なかなか豪華な船室をもつものも増えてきている。本船の乗組員用船室もそのすべてが個室で、セミダブル並みのベッドや冷蔵庫、トレイ・シャワーもついている。船室の環境は陸と変わらず、乗組員はのびのびと生活しているようだ。
乗組員の自由時間はスポーツや筋トレ、航海士の勉強をしたりと過ごし方は様々だ。船内では野球やバスケ、筋トレ等もできる。
長期間の航海が多いため、クリスマスや年末年始などを船上で過ごすことも多々あるが、フィリピン人船員をはじめ、乗組員で協力して装飾や食事の準備をし、イベントごとにも全員で楽しむようにしている。