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当社グループは、大型タンカーの長期貸船契約を大きな柱とした安定収益の確保ならびに安全運航と海洋・地球保全に努めてまいりました。今後の我が国経済は雇用・所得環境の改善や、企業の底堅い設備投資意欲による景気の下支えが期待されています。一方でアメリカのトランプ大統領の政策による影響は不確定要素が大きく、関税の引き上げによる世界経済の減速、米中の貿易摩擦の激化が懸念されるほか、地政学リスクの高まりなどによって景気の勢いが削がれるリスクがあります。海運業界においても、コストインフレによる費用の増加が顕著になっており、金利の上昇や資源高を背景に新造船マーケットが高止まりしており、厳しい経営環境が続くものと思われます。
このような事業環境のなか、今後も株主の皆様に対する安定した利益還元を実現すべく、資本コストを意識した経営の下、安定収益の確保に努め、財務基盤の強化に取り組んでまいります。
当社主力の傭船事業の持続的成長に向け、既存の取引先には、安定的かつ質の高いサービスおよび技術提供を継続し、更なる関係深耕を図り、また、国外重要営業拠点と位置付けているシンガポール現地法人を活用しながら、事業環境の変化に応じた新しい取り組みに挑戦し、新規の設備投資案件も積極的に検討してまいります。こうした検討にあたっては、脱炭素化に伴う将来のエネルギー源の転換等も見据え、傭船者のニーズに対応した海上輸送手段を提供すべく、最適な船隊構成を目指してまいります。
さらに、安全運航に欠かせない高度な船舶管理業務を実現し継続するため、積極的な採用による人材の拡充と国内外での船員教育を充実とを平行して進め、優秀な船員の確保・育成に努めるとともに、持続的な成長を実現するための海洋・地球環境保全に向けた活動の一環として、次世代型技術に対するニーズを的確に捉え、積極的な取り組みを進めてまいります。
これらの対処すべき課題に取り組むには、個々の人材育成は重要であると認識し、当社は社員に成長の機会を提供し、これを支援する事で生産性の向上や組織力の強化に繋げ、さらなる社業の発展を促進してまいります。