オイルロード

巨大タンカーの航海Ⅱ

最新鋭タンカー KYO-EI

共栄タンカーのファンネル(煙突)

ホルムズ海峡を越えて、オイルロードの航海もようやく通常のものに復帰した。少し落ち着いたところで、今われわれが乗り込んでいるVLCC(Very Large Crude oil Carrier: 載貨重量20万トン以上30万トン未満の原油タンカー)KYO-EIの内部を見学してみよう。
それではまず、少人数による運行を可能にしたKYO-EIの最新鋭設備をみるために、甲板上はるか高くそびえ立つブリッジに入ってみる。

最新鋭の操船設備

KYO-EIの居住区

居住区に入ったら、エレベーターに直行しよう。

かりに甲板を1階とすると、同じ高さの居住区はアッパーデッキ、その上の階は下から順にA,B,C,D,Eデッキと呼ばれている。そして、普通の呼び方なら7階にあたる階が、操船に関するすべての制御装置が集中しているナビゲーションブリッジデッキ(航海船橋)である。

エレベーターは6階のEデッキまで。 6階からブリッジへの交通は階段となる。 これは予算をケチっているのではなく保安対策なのだ。 ブリッジからは船と船前方の風景が一望のもとにおさめられる。正面の窓のすぐ前、さまざまな表示ランプが並んだ操船コンソール、衝突予防レーダーや電子海図等の航海計器が並ぶ。やはりこの階が、巨大船を動かす中心となっている。

船橋内部

目に付くままにあげていけば、まず最大200キロの範囲に目を光らせるレーダーのディスプレーがある。また衛星の発する信号を受けて本船の位置を自動的に割り出し、到着予定時刻や航路プランの算出を行う「衛星航法システム(GPS及び精度の高いDGPS)」、さらにGPSから信号を受けて、船の位置を表示する電子海図。本船と衝突する可能性のある船を表示して操船者に警告する「衝突予防援助装置」、設定された航路を自動的にたどる「自動航法装置」、他の船からの信号を受けて船名などの情報を表示する「船舶自動識別装置」等々。どの装置もコンパクトなためあまり目立たないが、この場所はエレクトロニクス機器の集積場である。

舵輪(操舵装置)

航法装置では他にぜひ舵輪(操舵装置)について触れておきたい。

東京駅駅舎と同じ長さの船の舵を動かす舵輪だから、どんなにか立派なものに違いないと云う期待は見事に裏切られた。舵輪は直径わずか25センチほど。地味な回転式の取っ手のごときもので、よくよく探さないと見つけにくかった。しかしこの舵輪、船にかかる慣性力を検出し自動的に舵を調節する機能を持つ、なかなか優れた装置なのである。