オイルロード

巨大タンカーの誕生

巨大タンカー、KYO-EIの誕生

航行中のKYO-EI

2014年2月13日、そのオイルロードをひた走るべく1隻の巨大タンカーが竣工した。全長335メートル、313,990載貨重量(DW)トン。共栄タンカーを船主とするKYO-EI(日本語表記:共栄)である。
KYO-EIは日本へのエネルギー輸送を担う、数々の新技術を採用した最新鋭ダブルハルタンカーだ。 KYO-EIに乗船し勇躍オイルロードへの紙上航海に出る前に、あまりにも巨大なその全体像をつかむ努力を行ってみよう。

中東―日本1万キロ

TANK PLAN

冷たい数字をいくら凝視しても、なかなかその実際、とくにその大きさをイメージすることは難しい。そこで表の数字を、分かりやすく身近なものと比較できるものにしてご覧に入れよう。

KYO-EIの大きさを総トン数で表すと16万2858トンである。これは具体的には、KYO-EIの全容積が、約46万1354立方メートルであることを示す。この全容積中、352,525m3(98%)が貨物タンクである。つまりKYO-EIは、家庭用石油容器(18リットル入り)約1958万本分を運ぶことが出来るわけだ。ちなみにこの量は東京ドーム約1/4杯を超える。

また一般にタンカーなど貨物船の大きさは載貨重量トン(積込可能な貨物の重さ)で表されることが多いが、それで言うと313,990トン(DWT)になる。新幹線<のぞみ>号(16両編成)の重さは、700トンである。すなわちKYO-EIは、重さとしては新幹線約450編成分を輸送できることになる。

KYO-EI 建造中

では単純に大きさだけを問題にするとどんなものか。簡単に触れておこう。

335メートルという全長は、2012年に復元工事を終えた東京駅赤レンガ駅舎(335m)とほぼ同じで、東京タワー(333m)よりほんのわずか長いことになる。同時にジャンボ・ジェットの4.5倍、霞ヶ関ビルの2.2倍であり、その巨大さが想像できよう。幅は60メートル、船底から船の最高部レーダーマストまでは64.5メートルあり、これは通常ビルの約20階部分に相当する。また、乗組員の居住区であり操船の指揮所であるブリッジは甲板上から見上げてビル7階分の高さがある。

つまりKYO-EIは控えめに言っても東京駅赤レンガ駅舎を海に浮かべたようなもの。ブリッジは船の最後部にあるから、本船を動かすのは東京駅の駅舎最端部に立って舵輪を回すことに等しい。乗組員の苦労もしのばれようというものである。